インタビュー・翻訳: 矢澤 竜太
前作『OPUS 地球計画』の「前日譚」というアイデアはどこから生まれましたか?
Brian
OPUSにはもっと語るべき物語がある、というのはずっと感じていた事だったんです。なので『魂の架け橋』で同じ世界を扱うというのは自然な帰結でした。それから、僕らとしてはOPUSを「探索とストーリーテリング」で知られるブランドにしたいという計画もありました。
本作と前作の規模はどれくらい違いますか?
Brian
規模という点では大きく変わりましたね。今やSIGONOも10人になりましたが、前作の時は4人でした。『魂の架け橋』の開発はもう1年以上続いていますが、初代は約9ヶ月で完成しています。プレイ時間の面では34時間を目標にしています。初代はだいたい90分でしたから、色んな点で規模は倍というところでしょうか。
出ている情報からするとゲームプレイが大きく異なりそうですが…?
Brian
『OPUS 魂の架け橋』の舞台はポストアポカリプスな世界です。プレイヤーはロケットの建造に必要な鉱物を求める魔女を助けていくのですが、このロケットは宇宙葬のために打ち上げられるんですね。材料探しのために雪に覆われた遺跡や廃墟を探索していくのですが、プレイヤーはその過程で世界の歴史を発見していくことになります。なのでゲームプレイは異なるように見えるかもしれませんが、初代OPUSと同じく音楽、ビジュアル、ストーリーが生み出す寂静感は健在です。
本シリーズはどちらも「探索と感情を揺さぶるナラティブ」が主題に見えます。ゲーム中で両立させるために気をつけていることは?
Brian
初代OPUSでもそうでしたが、まずはコアとなる感情からスタートするんです。「孤独から来る寂しさが、広大な場所を探索することで豊かになっていく」というのがそれです。これを核に据えることで、プレイヤーに何を感じて欲しいか、どう感じさせるかが絞り込まれてくる。OPUSシリーズを作る上で、この「コア」は欠かせないものなんです。あとは自然に決まっていきますから。
前作は音楽も好評でした。今作でも期待していいですか?
Brian
もちろん! 僕らは寂静感を作り出すためにゲームのすべての要素を使います。だから音楽は特に重要なんです。ウチの作曲家は雰囲気を作り出す上でとてもいい仕事をしてくれたと思いますよ。
本作を開発する上で一番苦労した・している点は?
Brian
没入感が一番の課題でしたね。ゲームプレイやプレイヤーの行動には必ず「前後の文脈」を持たせたいと考えていたので、プレイヤーが探索に出かけるたび、あるいは何かを拾うたび、世界の文脈にピタリとハマるようにしたかった。でも当然ですがプレイヤーをコントロールすることはできないので、没入感を壊さないようプレイヤーを導くにはどうしたらいいかを考えるのに一番苦労しました。
日本語サイトがもうできていますよね。いつも日本向けにローカライズされる理由は?
Brian
日本でたくさんの方が好いてくれるからです。ありがたいことに『魂の架け橋』についてもたくさんお問い合わせやインタビュー・記事化依頼をいただきました。それから僕らはプロの日本人翻訳者と一緒に仕事をしていますから、高品質な翻訳と没入感の高いストーリーを期待していてください。
新作を待つ日本のゲーマーへ一言お願いします。(開発チームより日本語でメッセージをいただきました!)
Brian
新作「OPUS魂の架け橋」のリリースにつきまして、いつもご応援いただき、誠にありがとうございます。
皆様のご支持とご意見が、新作を実現させる力になります。乞うご期待
矢澤 竜太
英日翻訳者。現在の主戦場はゲーム開発関連とesports関連翻訳。過去にはゲーム開発会社勤務や架け橋ゲームズ立ち上げなどを行ってきた。現在はフリーランス。イラスト:Mitsu Hiraiwa