2018.01.26
ゲームは感情とともに
ustwo Games
Monument Valley 2
ustwo Games

アーティスト、エンジニア、ストーリーライターの集団としてサウスロンドンで旗揚げされたustwo Games。その後5年足らずで20名を越えるチームへと成長を遂げ、世界中で愛されたモバイルインタラクティブアプリ『Land’s End』や『Monument Valley』などを世に送り出してきた。その絆は固く、彼らは自らをファムパニー(fampany、family + company)と呼ぶ。
そして家族ならば当然とも言えるが、ustwoでは「感情」がとても大きな意味を持つ。「私たちは、プレイヤーの気持ちで考えることを意識してるんです。各シーケンスがプレイヤーをどんな気持ちにするのかきちんと理解したいので。もちろん、ビジュアルの美しさとゲームプレイの楽しさで驚かせることも忘れないですけどね」ustwoシニアアーティストのLaura Casonはこう語る。

この「ファムパニー」は明確に定めた目標を達成するため、規律を持って協業し、各自が持つ多彩な専門スキルが活きるように動く。彼らの出すタイトルにあれほどユニークな視点が組み込まれているのは、このインプットがあってこそなのだ。そこに巧みに作り込まれた魅力的なUXが華を添える。この説には市場も同意してくれるだろう。3000万ダウンロードという記録を打ち立てた上、多くのプレイヤーに愛された『Monument Valley』はBAFTA複数受賞(英国最優秀ゲーム賞、最優秀モバイル&携帯機ゲーム賞)まで果たしているのだから。

日常の中にある魔法を見つける

『Monument Valley 2』においても、同スタジオは常識外のルールとエッシャーの作品からインスピレーションを受けたテーマを採用しているが、今作では新たに母と子という新しい軸も追加されている。

本作は新たな発見を求めて旅に乗り出す2人の物語だ。「母親の物語ってあまり語られることが多くないと思うんです。あっても、それは子供の視点からだったりする」Casonは語る。「でも母親にも自分の物語があるんですよね。本作で語りたかったのは、まさにそれだったんです」
この新しいテーマに加え、幻想的なカラーパレットと絶妙の難易度は数多のプレイヤーを本作の世界に熱中させている。

X軸・Y軸・Z軸で遊ぶということ

あまり知られていない『Monument Valley 2』の事実の一つに、平行視点から見たプレイヤーにはすべてが2Dに見えるにもかかわらず、実は環境はすべて3Dアセットで構築されている、というものがある。
これを実現するために、ustwoは実際のゲーム空間では隣接していなくてもゲームビュー・カメラでは構造物同士が繋がって見えるようにする内製のUnityエディター拡張を制作したのだという。
キャラクターなど様々な要素が移動している間にプレイヤーに気づかせることなく、X軸上でははるかに離れている建造物がZ軸上では前後に移動しているのである。
つまりキャラクターが地形奥の終端に達すると、ゲームビューカメラではその終端地点が隣接する別の地形上と接続し、実際のゲーム空間ではキャラクターが前方へテレポートする挙動を取っているのだ。プレイヤーは固定クォータービューカメラで世界を見ているので絶対に気づくことはできないが、実際のゲーム空間内ではキャラクターには飛び越えられないはずの空間をスムーズに移動していることになる。

特製ツールとエディター拡張により、ustwoはゲーム上で不可能を可能にしている

クリエイターのできることを増やし、イテレーションを速くした新エディターツール

『Monument Valley 2』の開発を初めるにあたり、ustwoは前作で得た教訓を活かしたという。結果、ツールセットを作って開発参加人数が増えてもイテレーションを速く回せるようにし、結果アーティストとゲームデザイナーはエンジニアの手を借りることなくステージの見た目と感覚を確認できるようになった。
前作で使用していたツールではレイヤーと地形上の道を複数準備する必要があり、ゲームデザイナーが手動でキューブをコピー&ペーストして経路と地形を作らなくてはならなかった。一方新システムでは、同じゲームデザイナーが(キューブを個別に置くのではなく)メッシュ全体を高速に作ることができるようになっている。これが作り始めから完成までの時間を大幅に高速化した。

ゲーム上ではつながっているように見える地形も、エディター上ではY軸が離れている。

一方、ビジュアルスクリプティングツールにも改善が施された。『Monument Valley』ではゲームデザイナーが大量に並ぶ関数のリストから目的のものを探す必要があったが、『Monument Valley 2』ではチームのニーズを汲んだ完全ノードベースのビジュアルスクリプティング環境を整備。複数のアクションを同時に呼び出すこともでき、開発が大幅に効率化されている。
2D空間上の錯視とクォータービューで描かれる美しいアート、ありえない地形という前作の魅力をさらに磨き上げた本作の開発は、新たなツールセットで更なる効率化がなされていたようだ。Monument Valley 2の影ではUnityのモバイルゲーム向けソリューションが活かされている。

Monument Valley 2

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