2017.03.03
伝説の巨大戦艦・大和をこの目で見てみたい
仁志野 六八
VR戦艦大和
神田技研

かつて大海原を駆け回った日本海軍の艦艇たち。
その雄姿と活躍は歴史に燦然とした輝きをはなっていました。

しかし、第二次世界大戦の終焉とともにその全てが歴史の波間に消えていきました。
ある者は戦いの中で姿を消し、生き残った艦艇も全て解体され、我々はその姿をどこにも見ることはできません。

そして戦いの後、日本海軍の雄姿をつづる多くの物語が作られてきました。
荒波を切って進む艦艇、巨大な主砲を咆哮させる戦艦、飛行甲板でエンジンを轟かせて出撃の刻を待つ艦載機の群れ・・・。

その中でひときわ日本人の心に刻まれた艦、「史上最大の戦艦 大和・武蔵」。その姿は後世の人々の想像をかきたててやみません。

歴史・軍事マニアが常に心に思う夢、

「軍艦の雄姿をこの目で見てみたい」「軍艦に乗ってみたい」

我々はその憧憬を想像の中でかたちづくるしかありませんでした。

バーチャルリアリティ ヘッドマウントディスプレイの登場
~願いが遂にかなうかもしれない~

2014年初頭、話題になり始めていたOculus Riftを体験し、その臨場感に衝撃を受けました。
「この装置なら大和に乗るという夢が叶うかもしれない」「現在勃興しつつあるバーチャルリアリティで軍事・歴史のコンテンツを作ってみたい」と思い立ち、2014年11月に独立起業しました。

テスト版として「VR駆逐艦雪風」を作成し、いろいろ実験を行いながら、各所で行われているオキュラス体験会に展示し、お客さんにプレイしてもらったところ、「日本海軍の艦艇の雄姿をこの目で見てみたい」という同じ思いを抱いている方が各所にいるとわかりました。

そこで日本でも有名になりつつあったクラウドファンディングで支援を募ったところ、目標金額であった100万円がわずか1日で集まり、最終的に1期+2期を合わせて876万5409円の支援をいただくことができました。

実物大の大和を復元するからには、今までになかった挑戦を

2014年12月に開発チームを結成し、大和の建造に着手しました。

今までの大和に関する膨大な研究資料に目を通し、可能な限り細部まで復元することを心がけました。また今まで省みられることの少なかった艦内の様子や将兵たちの艦内生活の描写にも挑戦しました。

  • 水兵たちの御飯はどこで作られ、どこで食べていたのか?
  • どのように操艦をおこなっていたか?
  • どのような手順で大砲を撃っていたか?
  • 艦に装備されている大砲以外の装置はどのような役割だったのか?

元自衛官からの協力を仰ぎ、号令や所作・ラッパも再現しました。
海上自衛隊の号令は旧日本海軍の伝統を受け継いでおり、多くの共通部分があることを制作を通じて知りました。

これらの部分を制作したことにより、今までになかった大和像を示すことができたのではないかと思っております。


元乗組員に「乗艦」してもらう

資料の少ない内部に関しては元乗組員にVR HMDをかぶってもらい、どのような様子であったかをヒアリングしました。元大和乗組士官であった都竹卓郎大尉に御協力いただき、当時の様子をいろいろ御教示いただきました。都竹氏に体験していただいたところ、当時を思い出したかのように大和の様子を語っていただくことができました。

プレイヤーはVR大和を体験することで、まさに当時の乗組員と同じ視点で大和を体感することができると自負しております。

まだまだ続く大和復元の旅

VR大和はおかげさまで大和竣工75周年の2016年12月16日に発売することができました。
しかしこれで完了ではなく、第2期では対空兵装強化時の状態や、対空戦闘の様子も制作する予定です。

今後ともご声援いただけましたら幸いです。

プロフィール

仁志野 六八

株式会社神田技研 代表取締役。ゲーム開発者&VRクリエイター。1999年よりコナミ・コンピュータエンタテインメントでメタルギアソリッド3、Anubisなどの制作に従事。2008年よりソニー・コンピュータエンタテインメントでPlayStation Mobile、Unity for PSMの開発に従事。2015年10月に株式会社神田技研を設立。大の歴史・軍事マニアです。

VR戦艦大和

神田技研
  • AR/VR

プラットフォーム

  • Oculus Rift

言語

  • 日本語
  • oculus