2017.07.07
世界中から集い、京都で作るということ
テレース ピエーロー、ジェッタ チャン
Paper Garden
VITEI BACKROOM

BitSummit 2017でひときわ注目を集めていたのが本作、京都の名門スタジオViteiによるVRコンテンツ『Paper Garden』だ。プレイヤーの為すべきアクションは紙飛行機を飛ばすだけというシンプルさ。多くのVRコンテンツがVRならではの課題に苦慮する一方、このゲームの落ち着いた佇まいは特筆すべき点と言えよう。プロジェクト自体はまだまだモックアップ段階ではあるものの、大いに期待が持てるタイトルとして是非とも注目してほしい。

会場で話を伺ったのはリード・アーティストのテレースさん(写真中央)とプログラマのジェッタさん(写真左)のお二方でした。

インタビュー: 池和田 有輔

プロフィール

テレース ピエーロー

スウェーデンのウプサラ大学を卒業後、2015年「株式会社ヴィテイ」入社。VITEI BACKROOMチームの様々なプロトタイプの制作にアーティストとして参加。 現在、イラストレーションと3DCGの腕を活かしてリードアーティストとして勤務中。

プロフィール

ジェッタ チャン

2015年「株式会社ヴィテイ」入社。ツール制作とアセットパイプラインに集中し、任天堂『TANK TROOPERS』(3DS)にエンジンプログラマーとして参加。 2017年5月から、VITEI BACKROOMにプログラマーかつプロジェクトマネージャーとして勤務中。

VITEIさんについて僕が印象に残っているのは、ちょうど3年前のBitSummit 2014なんです。『The Modern Zombie Taxi Co.』が最優秀アワードに輝くなど、非常に話題になりましたよね。あのプロジェクトのその後はどうですか?

ジェッタ

ありがとうございます。『The Modern Zombie Taxi Co.』についてはその後も開発を進めてはいましたが、VR酔い対策など解決しなければならない課題もあって、現在はしばらくお休み中です。

やはりVRゲームにおいて、快適さは重要ですよね。

ジェッタ

はい。『Paper Garden』はそれを踏まえ、優しい世界観で快適なゲームプレイを強く意識しています。テレースがコンセプトを考え、彼女の打ち出したアートスタイルで進めています。

テレース

リードアーティストのテレースです。このプロジェクトは初心者にもやりやすいゲームであることを特に考えています。使うボタンを1つにしているのもその一例ですね。

紙飛行機を投げてターゲットに当てて世界に色を取り戻すというルールも非常にシンプルですよね。

テレース

ええ、ステージ上にはそれ以外にも風船や青い光といったアイテムがあって様々な効果を得られますが、複雑な要素は排除してプレイヤーの体験にフォーカスしています。

なるほど、誰にとっても遊びやすいゲームということですね。ところで、Made with Unityの読者のうち、VITEIさんになじみのある方はそう多くない思うんです。どのようなスタジオなのか紹介して頂いてよろしいでしょうか。

ジェッタ

VITEIは京都にある開発スタジオです。今まで3DSなど任天堂さんのハードで動くゲームを主に開発していましたが、それとは別に2013年にVITEI BACKROOMという子会社を立ち上げ、VR開発に注力しています。ちなみにVRコンテンツの開発は全てUnityで行っていますね。

ありがとうございます。では、作品におけるVITEIさんらしさ、というのはどういったものでしょうか?

テレース

コンセプトとして「今までにない体験を提供する」というのが最も重要だと考えています。だから「VITEIらしさ」というのはアートやデザインなどの見た目に関する部分ではなく、オリジナルであるという理念かな。ユニークさ、ですね。

海外の方が多い印象ですが、日本人スタッフもいますか?

ジェッタ

以前は日本のフリーランスの方が常駐していましたが、現在日本の方はオフィスマネージャだけですね。

そうなんですね。スタッフみなさんは特定の国ではなく、世界中からいろんなところから来てるような?

ジェッタ

はい、テレースさんはスウェーデンだし、リードプログラマーのクリスはスコットランドだし、僕はオーストラリア。オーストラリア出身は他にオーディオ・ガイもいて、あそこで子供を持ち上げてるピーターさんはアメリカですね(笑)。

(笑)。昨今、海外から日本に来てゲーム開発を行う方が増えていると感じていて。僕は日本人としてすごく嬉しい反面、ちょっと不思議でもあるんですよね。日本に来てゲーム開発をすることの意味やメリットはどんなところにあるのかなって。

テレース

京都はインディーズも大手ゲーム会社もあるし、またQ-Gamesのようなインディ精神のあるディベロッパーもありますよね。もちろん大阪も近いし、文化的にもミックスされている。それから美しい自然もありますよね。みんなそれぞれのストーリーがあって集まったチームですが、私は特に京都という街に強く惹かれてます。

では、ゲームを世界中で遊んでもらうことを考えた場合、様々な国の人が集まって作る方が合理的だと思いますか?

ジェッタ

それは一理あると思います。今まで日本人だけで作られた日本のゲームにはすごく魅力がありました。日本人が作っているゲームは魅力的だとは思うんですが、そのゲームに惹かれ、影響されて作ったゲームも同じように魅力があります。僕はそれを自分の目で、一番近くで見届けたいんですよ。

僕たちは日本のゲームに影響され、日本のことをもっと知りたいという共通項があり、ここにいます。だから日本で集まって一緒に仕事をすることは特殊なことではなく、ごく自然なことなんですよ。

プロフィール

池和田 有輔

フリーランスとしてWEB制作・広告制作のキャリアを経て、2013年からRépublique開発チーム(Camouflaj, LLC.)に参加。ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社に入社後はエバンジェリストとしてUnityの伝道活動に携わりつつ、Made with Unity日本版の編集長をやってます。

Paper Garden

VITEI BACKROOM
  • AR/VR

プラットフォーム

  • Windows

言語

  • 英語