グラフィッカーチームがプログラミングをする経緯
本作の主要な開発メンバーは、
- 3Dエフェクト(ねこかつ)
- 2D背景(あいすくりーみ)
- 3Dモデリング(ずっき~に)
- 3Dモーション(なたきつね)
上記4人で開発を進めていましたが、『ELMIA』の制作の大半の問題はチーム内にプログラムが組める人間がいないということでした。主要の開発メンバーにはグラフィッカー4人しかおらず、もちろんプログラムに触れたことがある人なんていません。
プログラムに少しでも慣れてもらおうと、メンバーに英語の文章を見せたりもしたのですが、ますます混乱するばかりです。このままでは進まないので、唯一Unityを使用してエフェクトを制作していた自分(ねこかつ)がプログラミングを勉強することになりました。
ゲーム内でやりたいことを文章に起こし、ひたすら調べながら書いていましたが、コードを覚えるためコピペ等は一切使いませんでした。
時間は掛かりましたが、書けば書くほど上達するのを感じて、楽しかったです!
ユーザーを意識したゲーム作り
作りたいゲームはたくさんあったのですが、自分の開発力と短い開発期間で何が作れるのかという問題に悩まされました。そこで私が考えたのが「低年齢のユーザーでも遊べる内容」を元に、ゲームの企画を作るというもの。この題材で、以下の2つの条件を企画に追加することにしました。
- ゲームのルールが簡単に理解できるシステム。
- 使用するボタンから、できるだけ指を離さないようにする。
この条件のおかげで使用するボタン数は減り、必要なプログラム量も少なくて済みました。
また、後者の条件は『ELMIA』のコンセプトである “爽快感” をゲームに与えることにも上手く繋がってくれました。
制作において経験値の有無がハッキリ出ると感じたのが、ゲームの処理速度です。個人的には慎重に制作するのも必要だと思いますが、失敗した経験が多くある人ほど処理の軽いゲームを作れるのだと感じました。
また、グラフィッカーの求める内容について、理解はできるのに対応ができないということもありました。
リクエスト通りに制作すればゲームが重たくなってしまいますが、制作しないままでいるとゲーム画面がイラストに比べて見劣りしてしまう……。
このように、ゲームの処理が軽いままで綺麗を映像を保つためには、かなりの困難がありました。問題を解決するためには、とにかく資料を探し、試行錯誤を繰り返すほかありませんでした。
ゲームの制作スピードを格段に上げる方法とは?
グラフィッカーチームの一番の強みといえば、もちろんグラフィックに関する問題について全員で話ができることです。制作物の発注時の仕様や納期をあらかじめ把握しているため、チーム内でどれだけのことができるかが予想しやすく、改善点や要望などがすぐに相談できる環境になっていました。
小規模開発では、グラフィッカー以外にも参加するのでグラフィッカーは多くても2人くらいになることが多いと思いますが、今回は4人全員がグラフィッカーなので、使用コストは多めに確保できました。
また、グラフィッカーがプログラムを書くことで、必要な素材やゲーム画面の改良について常時考えることができます。発注も早めにできるので、この部分もコストが増えた要因だと感じました。
指示が無くても制作が可能な状態なので、“指示を待つ”という無駄な行動が省けます。グラフィッカーに限ったことではないのですが、ゲームの企画者とプログラム制作者が同一であれば、ゲーム制作は異常なほど早いスピードで進めることができるのです。
今後の開発について
今年は5本くらいのゲーム開発に携わる予定です。
AECRNIAでも夏と冬にそれぞれ1本ずつ新作を出せればと思っています。今後は可能であればSteam、DMM Games の他に Nintendo Switch や PlayStation4 でも開発したいと考えています。
冬にはFlanというゲームをリリース予定ですので、今まで以上に精進したいと思います!!