2017.02.27
Lara Croft GO の制作工程
Antoine Routon
Lara Croft GO
Square Enix Montréal

いかにしてトゥームレイダーにGOシリーズの要素を組み入れるか

『Hitman GO』に続くGOシリーズ第2弾となった『Lara Croft GO』。本作の開発に着手した時、私たちは「GO シリーズとは何か」という本質的な問いに直面することとなりました。この答えは当初想定していたほどシンプルなものではなく、プロジェクトを通じて考え続ける必要がありました。そして試行錯誤を積み重ねた末に、ようやく『Lara Croft GO』は、『トゥームレイダー』シリーズを『GO』タイトルとして完成させることができたのです。

はじまり

『Hitman GO』の企画を提案した時、そのコンセプトに驚いた人は少なくありませんでした。エージェント 47 の世界をジオラマとボードゲームに着想を得たターン制モバイルゲームにするという企画だったのですから無理もありません。しかしリリース前には多くの人がその出来に手応えを感じるまでになりました。結果、同作はレビュアーからも高評価を受けて世界中のファンにも歓迎されるタイトルとなりましたが、正直なところ良いものができたという手応えこそあったものの、ここまでの成功を収められるとは思っていなかったのでこれは望外の喜びとなりました。そうして私たちは次の一歩、すなわちこのゲーム体験を新たなレベルに引き上げることを目指すこととなりました。

そんな私たちが同作リリース後に注力したのは「GO タイトルの定義」を突き詰めることでした。ボードゲームのように見えること…ターン制パズルのゲーム性…色々と浮かびましたが、結局これだ!と断定することはできませんでした。そういった経緯を経て、私たちはこの問題の答えを別の角度から探ることにしました。考えてダメなら、新しいGOタイトルを作ってみようと考えたのです。

過去20年で15タイトルを輩出し、ビデオゲーム界を代表するキャラクターの一角を担うララ・クロフト。新たな GO タイトルを作りたいと考える私たちが、彼女の世界とGOタイトルを融合させるアイデアにたどり着くまでにそう長くはかかりませんでした。

アイデンティティの危機

『Lara Croft GO』のプロトタイプ製作に着手した時、私たちはプレイヤーとしても開発者としても『Hitman GO』のガワを『トゥームレイダー』に変えただけの続編は作りたくない、より魅力的なゲームにしたいと考えていました。しかし何を変え、何を残すかを判断するには長い長いイテレーション(仮組みとテストの繰り返し)が必要になります。

最初に検討を始めたのは、『Hitman GO』のボードゲーム的ビジュアルをどうするかという点でした。誰もが思考するチェスの駒のようなヒットマンの世界にはピッタリだったこの要素も、ララ・クロフト的世界ではしっくり来なかったのです。

そこで私たちは迂回策を検討し始めました。考古学博物館ではなくジオラマにしててみてはどうだろう? いや、まだヒットマン的すぎる。飛び出す絵本みたいな感じにしてみるのは?…面白いけれど味気ない…こんな調子で、『トゥームレイダー』という世界観にフィットするアイデアが見つからず、開発は難航しました。ララ・クロフトの世界観に合致する、核となるビジュアルテーマが見つからなかったのです。

オリジナルに立ち返る

初代『トゥームレイダー』の頃、初代PlayStationなどのハードウェアではフレームごとに描画できるポリゴン数が限られていました。しかし当時のアーティストはこの制約に果敢に挑み、誰もが認識できる独自の「ブロック的」スタイルを確立しています。つまりあのポリゴンスタイルは技術的限界が生んだものだったのです。

この点が、私たちの創造力に火を着けました。このポリゴンスタイルを現代的手法でアレンジしてみたらどうだろうか?そうしてたどり着いたのが、かつての『トゥームレイダー』シリーズの代名詞ともなっている「ブロックっぽさ」と、ノードベースのパズルゲーム性を融合させた現在のスタイルになっています。

当初は、ポリゴン数の少ない「ブロックっぽさ」を実現しようとテクスチャの代わりに単色サーフェイスを採用してみました。成果物は面白い見た目こそ実現できた一方でありふれたものになってしまいましたが、私たちはその後も諦めることなく何度もイテレーションを回しました。そしてハードなエッジとソフトなエッジの絶妙な比率を見つけ出し、さらにサーフェイスもフラットなものと幾何学的図形をミックスするようにしてようやく独自のポリゴンスタイルを確立することに成功します。その後は仕上げとして、前景ではシルエットを、背景では曇った感じを強調したりもしています。こうした細かな調整を重ねていくうち、アートの方向性は完成に近づき、古き良き『トゥームレイダー』を現代的なテイストに生まれ変わらせることに成功したのです。

アクロバット性

本作の製作時には、アートの方向性以外にも根本的な変更を加えた要素がもうひとつあリました。ゲームのアクション部分です。プロトタイプではララも敵キャラクターも『Hitman GO』のようにボードゲームのコマ的な動きをさせていました。しかし動かないコマが岩をよじ登ったり、槍を投げたり、後ろから転がり来る巨石を避けたりするのは…率直に言ってつまらないものでした。アクロバット性と軽やかな上下移動は『トゥームレイダー』の冒険感の柱となる部分です。私たちは即座に、ララにアニメーションを追加しなければならない、と判断しました。

決断を下した後は、チームのアニメーターがすぐにララ用に素晴らしいアニメーションをいくつか作ってくれました。組み込んでみると、すべてがずっと良くなりました。なお、ララのアニメーションについては、ターン制ゲームプレイに合わせた調整こそ加えていますが、ここでも初代『トゥームレイダー』を参考にしています。

さらなる変更

2点の大変更を加えた後は、開発がどんどん加速していきました。私たちは、『トゥームレイダー』シリーズにそぐわない要素を削ぎ落とし、ララ・クロフトの世界に合ったゲームデザインへと変えていきました。

たとえば、私たちは初代『トゥームレイダー』でララが危険な場所を乗り越えていく部分がとても好きです。だからこそ本作でも、無個性の人間と戦わせるのではなく凶悪なクリーチャーや危険なワナをくぐり抜けて「生き残るために戦う」ようにしました。

また、ステージのレイアウトにもこだわりがあります。『Hitman GO』では世界中で終わりなき依頼をこなし続けていくような構成になっていますが、『Lara Croft GO』は基本的に序盤・中盤・終盤の綺麗な 3章立てにしてあります。

何度もイテレーションを繰り返し、本作はエージェント47が活躍する冷血・暗殺がウリのゲームから、古代遺跡で謎を解き明かしていく初代『トゥームレイダー』の世界に強いインスピレーションを得たタイトルへと変化していったのです。

本質を掴むということ

これら 2 本の『GO』タイトルには大きな違いがありますが、製作中にひとつだけ変わらなかったことがあります。それは、作品に対するアプローチです。私たちはどちらを作る時も、「ゲーム体験の本質を掴む」ということに注力してきました。それが暗殺であろうと冒険であろうと、そこには『GO』タイトルを『GO』タイトルたらしめている要素があります。これはビジュアルやゲーム性ではなく、「蒸留工程」と言うべきかもしれません。私たちは、初期のララ・クロフトを遊んだ時の感覚と真摯に向き合うことで、『トゥームレイダー』シリーズの豊かな世界観をシンプルで洗練されたパズルゲームへと蒸留することができたのです。

Lara Croft GO

Square Enix Montréal
  • アドベンチャー
  • パズル

パブリッシャー

Square Enix

プラットフォーム

  • iOS
  • Android
  • Windows
  • Mac
  • PlayStation 4
  • PlayStation Vita

言語

  • 英語
  • フランス語
  • ドイツ語
  • イタリア語
  • appstore
  • googleplay
  • steam

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