Unityを使った作品を紹介する「Unity探検隊」。
今回ご紹介するのは、21_21 DESIGN SIGHTで2018年6月29日(金)から10月14日(日)まで開催されている、企画展「AUDIO ARCHITECTURE:音のアーキテクチャ展」。展覧会ディレクターは、madewithunity.jpでもおなじみの中村勇吾。もともと建築にルーツを持つ中村勇吾が生み出す「音楽建築空間」だけに、そこで行われているコラボレーションはハイレベルなもの。普段中村勇吾の作品で感じることができる、映像と音楽のコラボレーションの “気持ちよさ” “心地よさ” が全身で体感できるダイナミックな展覧会になっています。
参加作家は、稲垣哲朗、梅田宏明、大西景太、折笠良、辻川幸一郎(GLASSLOFT)×バスキュール×北千住デザイン、勅使河原一雅、水尻自子、UCNV、石川将也(ユーフラテス)+ 阿部舜の9組(※敬称略)。作詞を中村勇吾が手がけた楽曲『AUDIO ARCHITECTURE』を、小山田圭吾(Cornelius)が新曲として書き下ろし、それぞれの作家がそれぞれの視点から解釈した映像を制作しました。会場構成はWonderwall 片山正通。27m x 4mの巨大スクリーンを縦方向と平面に2枚設置されており、観客はスクリーンの中に佇んで、音楽と映像を鑑賞することができます。
このうち、奥田章智(tha ltd.)による会場内のサイン、歌詞画面映像と、勅使河原一雅「オンガクミミズ」、辻川幸一郎(GLASSLOFT)×バスキュール×北千住デザイン「JIDO-RHYTHM」でUnityが使われています。
勅使河原一雅の「オンガクミミズ」は、これまでにflashで長年にわたり取り組んできた『hello world』の流れを汲みながらも、まったく新しい表現を生み出した新境地的作品。まるで細かい刺繍のような文様が、“ミミズ”という名の通りに有機的に蠢き、うねりを作り出し、離散していく様子は見ていてまったく飽きることがありません。この様子は”人間の聴覚器官が瞬間瞬間で受容する音楽の構造であり、感覚意識体験(クオリア)が生じるより前の「知覚の現場」”を表現しているのだそうです。
大型スクリーンでは各作家の映像が順番に流れるのですが、その裏には、各作家の映像が一作品づつ上映されるブースがあります。大型スクリーンでの上映はプリレンダーの映像ですが、ブースでの「オンガクミミズ」はリアルタイムの映像。何度見ても、少しづつ違うので、思わず時間を忘れて見入ってしまいます。
オンガクミミズ、大画面側アップデートしました!ところどころ前より良くなったり悪くなったりしてます。勿論前のバージョンはもう観れません。今のバージョンも今しか観れません。#AUDIOARCHITECTURE pic.twitter.com/7PyabH3iU9
— Kazumasa Teshigawara (@qubibi) 2018年7月16日
辻川幸一郎(GLASSLOFT)×バスキュール×北千住デザイン「JIDO-RHYTHM」は、北千住デザインが開発した自撮りとミュージックビデオを組み合わせたアプリ「JIDO-RHYTHM」を使った楽しい作品。音楽を聴きながら自撮りをすると、音に連動したエフェクトが重なります。従来の「音楽+映像」に「聴く人」が加わった、新感覚のミュージックビデオになっています。現在iPhoneX専用のアプリとしてリリースされているので、ぜひダウンロードしてみてください。
こんな感じで、自撮りでMVが作れます。 #AUDIOARCHITECTURE #JIDORHY pic.twitter.com/d03kqJox3i
— 辻川幸一郎 (@K_Tsujikawa) 2018年6月29日
会場では、展覧会のグラフィックデザインを手がけた北山雅和(Help!)デザインの会場限定7インチも発売中。大変見応えのある充実の展覧会ですので、ぜひ2時間以上お時間を取って見に行ってください!展覧会の様子は、#AUDIOARCHITECTUREでも多くツイートされています。
会期:2018年6月29日(金)- 10月14日(日)
会場:21_21 DESIGN SIGHT ギャラリー1&2
休館日:火曜日
開館時間:10:00 – 19:00(入場は18:30まで)
入館料:一般 1,100円、大学生 800円、高校生 500円、中学生以下無料
URL:イベントサイト