Tokyo Sandboxで見つけた注目の #madewithunity

Tokyo Sandboxで見つけた注目の #madewithunity

4/6、4/7とベルサール秋葉原で行われたTokyo Sandboxはライブあり魅力的なトークセッションありゲーム大会ありという盛りだくさんのインディゲームイベントだった。両日ともに天候にも恵まれ、メインとなる展示ブースでは多くの来場者がアテンドを務めるゲーム開発者の話を熱心に聞いていたりと常に熱気に溢れていた。その中で筆者が気になったUnity製タイトルをいくつか紹介したいと思う。

2nd iLL

まずは近未来を舞台にスケボーに乗りつつ4つのレーンを移動し進んでいく強制横スクロールの2Dアクションゲーム「2nd iLL」を紹介しよう。スケボーによる攻撃や体当たりを駆使して道中には出現する様々な敵を撃破し、ステージの最後には手応えのあるボスバトルが用意されている。このゲーム大きなポイントとしては、新旧さまざまなゲームの特徴をうまく取り入れていることを感じた。例えばレーンを行き来するあたりはスマートフォンのランゲームを彷彿とさせ、ジャンプ台でのQTEに成功すればトリックが決められるという要素はSSXなどのスノボゲームさながらであり、近未来的な世界観とカメラの視点は80年代のナムコの名作タイトル「メトロクロス」を想起させる。

背景となる世界観やストーリーも練られており、年内のリリースを目指して鋭意制作中とのことだ。開発は「PEKO PEKO SUSHI」を手がけたアルヴィン・フー(@datponpon)さんとアーティストHARAさん(@dotsukiHARA)のコンビを中心に行われている。

ロケットパズル

障害物につっかえてしまったロケットたちを動かし、それぞれの母船に帰る手助けをするパズルゲーム「ロケットパズル」の展示ブースも大好評だった。各ロケットは推進力があるので特定の方向に進み続けており、壁や他のロケットが障害物となっているのでそれを退けてやる必要がある。数手先に起きることを読みつつ「倉庫番」のように特定のオブジェクトを動かしていくわけだ。

スクリーンショットからは少し地味な印象を受けるかもしれないが、小気味良いエフェクトや可愛らしいアニメーションには熟練の技を感じさせ、またシステム自体も非常に練られたものであることに気がつくだろう。

可愛らしいプレイヤーキャラクターのドット絵も展示されていた

試遊する様子はアテンドスタッフ側にもミラーリングされているようで、来場者はプレイに集中しつつも開発者からアドバイスを受けることができるように工夫されていたのも印象的だった。おおよそ7、8ステージの構成もプレイするにもちょうど良く、随所に「おもてなし」を感じさせるような素敵なブースだった。

開発はきゅぶんずさん(@kyubuns)とニカイドウレンジさん(@R_Nikaido)ら「29Games」によって行われている。

果てのマキナ

剣のようなブーメランのような長物を扱う主人公マキナを操作し、探索をする2Dアクションゲーム「果てのマキナ」も非常に魅力的なタイトルだ。大きな特徴は、主人公「マキナ」が扱う長物で、近接では剣のように振ることで敵にダメージを与え、また遠距離ではブーメランとして遠距離攻撃を行うこともできる。主人公は武器の位置にテレポートする能力を有しており、またブーメランは空中で停止させることもできるので、このメインウェポン一つとっても複雑なアクションを提供している。

ブースではパートナーと通信しながら道中を進み、ボスを倒すところまでが体験できたが、そのボスバトルはブーメランテレポートをうまく使う必要があるために、おそらく序盤のチュートリアルの役割を果たしているようだった。

本作は「in dark」を開発したおづみかん(@ozumikan)さんが、今回も一人でコツコツと作っている模様。開発の進捗はハッシュタグ #果てのマキナ で公開されているので、気になる方はこまめにチェックしてみてほしい。

テンピーポーテンカラー

色を操るゲーム「テンピーポーテンカラー」はカラーホイールを呼び出して背景色を変化させ、様々なオブジェクトと同一の色味にして消すことで10体のピーポーをゴールに導くゲームだ。消えるのは障害物の一部であったり障害物自体であったりまたピーポー自身であったりするのがミソで、パズルゲームとして非常に良くできている。

タッチデバイスとの相性も非常によく、1画面におさまるステージ構成もスマートフォンで遊びやすいものになっている。チュートリアル的なステージのあとには様々なギミックに溢れた多彩なステージが数多く用意されている。

本作はもともとunityroomで公開されたゲームだったが、グラフィックを向上させ、ステージ数を大幅に追加してリリース準備に入った模様。開発者はたアケイクさん(@TarrCake)個人によって行われている。

シューフォーズ

「シューフォーズ」は老若男女誰でも楽しめるパーティーゲームだ。ブースでは常にアツい対戦が行われていた。ルールは至ってシンプルで、プレイヤーはUFOを操作し、降ってくる箱を壊しつつ、出てきたアイテムを吸引して自陣に入れることでポイントを競うというもの。お互いを直接攻撃することで妨害したり、また運んでいるアイテムを吸引することでかすめ取ることもできるため、何をすべきか適時判断が求められるようになっている。

著者は以前別の会場で試遊させていただいたことがあるのだが、今回のバージョンではグラフィックの向上やモードの追加、またキャラクターごとに異なる特徴を与えるなど、着実により良いものになっていると感じた。

開発を手がける「ブイブイラボ」の方々

リリース時期を予定より遅らせ、腰を据えて作る方向にシフトしているようだ。開発を手がけるブイブイラボ(@vvlabo)の若い力に期待したいと思う。

池和田 有輔 - 2019年4月10日