2019年6月15日(土)、東京・青山蜂にて インディーゲームのイベント『東京電脳特区』が開催された。『東京電脳特区』の特徴は、主催企業が存在しない、インディーゲーム作家による完全自主イベントだということ。 ”特区” という名も、もし東京に、個人・小規模ゲーム開発者が集められた特別区域があったら…という設定のもと行われている。開催場所も、普段はクラブとして使われている青山蜂。お酒も購入できるので、入場者の中にはビール片手に試遊を楽しむ人も。多くのゲームファンが集い、前回を超える入場者を記録した。
まさにインディーゲーム開発者/ファンにとって楽園のような本イベントはどのように作られたのか?主催者にイベント開催の趣旨を伺った。
『東京電脳特区』が始まったきっかけは?
東京電脳特区
2019年2月に初回(v0.1)、6月に第2回(v1.0)を行いました。少しわかりにくいですが、初回はテスト的な意味もあったので「v0.1」、第2回が「v1.0」になります。きっかけは、インディーゲームクリエイター同士で毎年行っていた開発合宿です。開発しながら昨今のインディーゲームイベントの事情を議論する中で、「いろいろと不満があるならば、自分たちでイベントをやってみよう」と発起したことがきっかけです。
『東京電脳特区』の重要なコンセプト、特徴とは何でしょうか?
東京電脳特区
出展者全員が主催であるということです。自分たちのゲームを多くの人に知ってもらい、見てもらうためにやっているイベントだ、ということが一本の柱です。インディークリエイター自身が企画・運営しているイベントであることが、重要なコンセプトです。
イベントにおける出展者はどのような基準で選考されているのでしょうか?
東京電脳特区
v0.1は発起人が全員参加しました。v1.0の出展タイトルは、v0.1出展者による推薦と選考で決めています。いまのところ公募の予定はありません。このスタイルは、『Pixel Art Park』(注:2015年から開催されている日本最大級のドット絵の祭典)の運営を参考にしています。
今回のイベントを開催されて得た反応や開催側の手応えなどありましたらお教えください
東京電脳特区
すでにファンが多い作品を目当てに来た方も、イベントを通じて他のゲームのことも知ってもらうという流れがよかったです。メディアにも取り上げていただき、自分たちのゲームを知ってもらうという目的が達成できました。コンセプトの強いインディーイベントは他にもどんどん増えて欲しいと思います。
今後の日本のインディーゲームシーンにおいての課題にはどんなものがあるとお考えですか?
東京電脳特区
主に3点あると思います。
まず1つめは、「日本のインディーに興味を持ってくれる投資家が足りないこと」。
2つめは、「政府や業界団体の支援が少ないこと」。
そして3つめは、「既存のイベントのなかには地元日本のタイトル数が減らされているものもあること」
これらの3点です。『東京電脳特区』は3つめの問題に対処するために生まれました。
インディーゲームを実際に作っている私たちが選んだタイトルの展示会ですから、これが本物の「日本のインディーゲームシーンだ」と胸を張って言えます。Made With Unityには、これからも日本の個人・少人数チームの作品をどんどん取り上げてもらえればと思っています!
インディーゲーム開発者たちによるインディーゲームファンのためのイベント『東京電脳特区』。次回の開催も楽しみに待ちたい。