Visual Design Studio WOW が動かす世界

ビジュアルデザインスタジオWOW「WOW Visual Design Studio ーWOWが動かす世界ー」

Unityを使った作品を紹介する「Unity探検隊」。

今回ご紹介するのは、東京のビジュアルデザインスタジオ「WOW」による展覧会「WOW Visual Design Studio ーWOWが動かす世界ー」。2018年4月15日(日)まで、東京・南青山のスパイラルにて開催されています。1FのスパイラルガーデンとM2Fのエスプラナード、そして3Fのスパイラルホールを使った、大規模な展覧会です。

WOWが手がけるのは、ありとあらゆる”ビジュアルデザイン”。もともとCGプロダクションから歴史を始めたWOWですが、現在ではUI/UXデザイン、空間インスタレーション、プロダクトや建築に至るまで、あらゆるジャンルのクリエイティブを手がけています。20年に渡るキャリアを総決算する代表作品が並ぶ本展覧会で、Unityが使われているのは2作品です。

神の化身に“化ける”「BAKERU」

ひとつは、体験型の映像インスタレーション作品「BAKERU」。スクリーンの前で、再帰性反射材が着いたお面を装着すると、スクリーンの中の観賞者が、神の化身に变化します。東北に古くから伝わる祭りや伝統行事のエッセンスを、グラフィカルに表現したビジュアル・デザインはさすがです。

モチーフにしたのは、東北の文化で、1年の決まった時期になると各地に現れる“神の使い”たち。三陸地方に伝わる「鹿踊(ししおどり)」や、簑(みの)をかぶった若者に水をかける「加勢鳥(かせどり)」など、人々はお面や衣装を身に着けることで、豊作や無病息災をもたらす存在へと変身します。このインスタレーションでは、雨が降ったり、魚を獲ったりなど、神事によってもたらされる恵みがインタラクティブに表現されます。東京での公開は初。是非体験してみてください。

■開発画面



Cinema4DなどのソフトウェアとUnityを併用。FBXやOBJといった汎用形式で書き出したモデルやアニメーションをUnityに取り込んで利用した。キャラクターの動きは、Kinectを利用し、体験者の骨格やお面の3次元位置情報などを取り込んで反映している(センシングアプリケーションはopenFramework製)。

バーチャルにろくろを体験「ROKURO」

「ROKURO」は、木から削り出す“ろくろ”を体験するインスタレーション。器、玩具、細工品などを世に生み出してきたろくろを、こどもも手軽に体験できる作品です。

画面をタッチすると、木くずが飛び散り、タッチした部分が部分が削れていきます。形を決めたら、最後に絵付けされてモニタに登場。工芸品を作る工程を体験し、東北の伝統工芸への理解を深めるインタラクティブ作品です。

■開発画面

マーク・ニューソンコラボの日本刀?!

その他にも、会場には、レイヤー状に並べた20枚の透明有機ELディスプレイに、奥行きのある映像が映し出される「RENDER」や…

風力によって布を操り、まるでアニメーションのように美しい動きを見せるインスタレーション「wind form_03」などを展示。マーク・ニューソンとのコラボレーションによる日本刀(!)「aikuchi」などのプロダクトもあり、多彩な展示になっています。

会場では、WOWスタッフが作品を解説しながら会場を案内するギャラリーツアーも開催されます。開催日時・お申込みはイベントサイトにて。

「Visual Design Studio WOWが動かす世界」

会期:2018年4月6日(金)~2018年4月15日(日)会期中無休
時間:11:00~20:00(最終入場は19:30まで)
場所:スパイラルガーデン(1F)、エスプラナード(M2F)、スパイラルホール(3F)
住所:東京都港区南青山5-6-23
電話:03-5459-1100 (WOW代表)
入場料:スパイラルガーデン(1F)・エスプラナード(M2F)は無料。スパイラルホール(3F)のみ有料。
一般:800円、小中高生:500円、未就学児:無料、ペア割引:1,000円
URL:イベントサイト

齋藤 あきこ - 2018年4月11日